利用者インタビュー

2023年01月18日

Fracta Leap 株式会社

Fracta Leapがチョクフリを活用する理由

社会インフラの課題をデジタル技術で変革していくというミッションをもとに、飲み水に欠かせない水処理プラント設計・運転という課題に挑む

水処理プラントの設計は考慮すべきことが膨大でかつ複雑です。効果的な提案のために、ドメイン知識をしっかりキャッチアップし、言語化していくことが重要です

ー「本日はChief Product Officerの村井様にお話を伺わせていただきます。まず最初にFractaLeapの成り立ちから教えていただければと思います。」

村井「Fracta Leapの母体であるFracta社は米国のAIスタートアップであり、世界で初めて水道管診断AIの商業化に成功した会社ですが、かねてから水道管インフラ以外の社会インフラ向けの新事業を模索してきました。2020年に水処理のリーディングカンパニーであり、資本・業務提携先である栗田工業と共同で、水処理DXプロジェクトを推進することになりました。それを契機にFracta Leapを設立しました。」

ー「FractaLeapの取り組みについて聞かせてください。」

村井「水処理プラントの飛躍的な生産性向上をめざして、設計自動化、運転最適化、IoTセンサーシステムなどを活用したデータ取得ソリューションに取り組んでいます。栗田工業が保有する水処理の技術・ノウハウと、FractaのAI技術やアプリケーション開発のノウハウを組み合わせることによって、新しいソリューションや事業を作り出しております。」

計画設計の段階で、アルゴリズムによる自動アシストができれば、設計スピードだけでなく全体設計の品質向上にもつながります

設計アプリケーションはインタラクティブな操作が多く、長い時間利用するものですので、使いやすいインターフェースが鍵になると考えます

村井「その中で私が担当しているのは設計自動化になります。設計は、見積もり提案をするために行う計画設計、プラントを製造するために行う詳細設計に大きく分類できますが、現在フォーカスしているのは計画設計です。計画設計は、水処理のノウハウが凝縮されており、付加価値の高いプロセスのため、最初に取り組むことにしました。
その中でも、アルゴリズムを活用しないと解くことが難しい設計業務について、先行して開発を進め、飛躍的な設計速度向上を目指しております。
具体的な例として、多数の水処理装置をアルゴリズムによって敷地内に収まる配置を提案する配置設計アプリケーションを開発しています。設計者は、メンテナンス動線を考慮するなど非常に複雑な条件を考えていますが、それら条件も含めて提案することができます。そのため、設計速度が向上するだけではなく、経験豊富な設計者が考えている観点を含んで設計することができますので、全体の設計品質向上にもつながります。」

ー「その中で、特に今力を入れていることはありますか。」

村井「特に力を入れているのは、高度な操作性を実現するアプリケーション開発です。設計アプリケーションは、アルゴリズムはもちろん、ユーザーインターフェースが重要になります。アルゴリズムの開発は、元々、私たちのコア技術でしたので、ユーザーインターフェースの開発体制を急ピッチに整えています。」

設計者との深い議論を通じて、僕たちが向き合うべきイシューがより具体的になってきています

アルゴリズム開発では熟練の設計者が持つ重要な要素を数式化し、億を超える解の中から最適な値を探索できるプログラムを作成しています。

ー「アルゴリズムで自動化させることを重視していたのが、進める中で操作画面の優先度が上がったという感じでしょうか?」

村井「そうですね。これらのアプリケーションは、アルゴリズムの提案が基礎となる機能ですので、初期はそれが実現可能なのか検討することにフォーカスしていました。現在は、ユーザーに利用していただくフェーズまできていますので、ユーザーが使いやすいインターフェースを実現しないと、実業務でうまく活用できないことが、機能評価する中で身に沁みるほど痛感しております。」

ー「実際に操作されるのは、設計者の方だけでなく営業の方が触ることもありますか?」

村井「メインユーザーは、設計者を想定しています。プラント設計は、とても複雑で、膨大な知識が必要なため、経験豊富な設計者に業務が集中する傾向にあり、プラント設計できる幅が限定されてしまう問題があります。そのボトルネックを解消するために、設計経験が少ない方でも、これらのアプリケーションを活用することで、必要な設計品質を実現する仕組みを作ることが、一番注力すべきだと考えています。」

ー「そういった面でも現実的に支援可能なものにしたいということですね。」

村井「はい、そこに僕たちはやる意義を見出しています。一方で、この挑戦は、簡単ではなく難易度が高い仕事の連続です。それは、プラント設計業務の量が膨大でかつ複雑だからです。業務利用可能な最小限の機能を開発するところから始めていますが、必要となる機能の量や利用する標準データの作成作業が多く、3年かけてようやく実務利用ができるレベルまできました。」

Chokufuri engineers

チョクフリ参画エンジニア紹介

チョクフリからの参画エンジニア全12名

スキル:CAEコンサルタント/研究開発、 プラントITエンジニア、科学・技術コンサルタント、Matlabエンジニア、システム設計コンサルタント、CAE/CFD解析要員、プラントITエンジニア、数理最適化エンジニア、Pythonエンジニア・フロントエンドエンジニア各2名

村井「チョクフリの特徴は専門家の幅が広いことです。担当の濱田さんを中心に一社でかなりカバーした提案をいただけていて、すごくありがたいことかなと思います。」

IT人材を探すこと自体がすごく大変な中、数多くのフリーランスエンジニアと出会えるのはすごくありがたいです

採用面接は、シンプルに、仕事とスキルがマッチするかどうか、仕事自体に興味を持ってもらえるかどうかにフォーカスして、お話をさせていただいています。

ー「チョクフリではフリーランスエンジニアをご紹介させていただいていますが、管理的な部分であったりとか、プロジェクトの進め方の面で意識されていることはありますか。」

村井「プロジェクト進行する上で意識していることは、フリーランスの方々がドメイン知識を身につけなくても、すぐに開発できるような環境を準備することです。私たちが開発しているアプリケーションは、設計業務をよく理解した上で開発することが必須ですが、それは社員が要件定義し、ソフトウェア開発だけに集中していただくようにしています。このようにすることで、レスポンシブに開発を遂行することができます。」

ー「ありがとうございます。最後にチョクフリについて率直なご意見をお願いします。」

村井「御社に限らずですが、1時間弱の面接だけで、候補者のスキルを見極め、採用することは非常に難しいです。そのため、どうしてもミスマッチは発生しやすいのですが、それ以上に人材を探すこと自体がすごく大変です。御社には、何人もご提案いただき、フリーランスの方と出会う機会をいただいてるため、すごくありがたいなと思っております。
また、ご紹介いただくにあたり、人材要件のイメージを御社と私たちで合わせることが、良いマッチングにつながると考えていますが、その点、御社は、密にコミュニケーションをとっていただけるので、採用もスムーズに行えております。」

いずれは水インフラの問題に至るまでどう解決していくかー中長期でロードマップを描き、各フェーズでしっかり効果の出せるソリューションへ

村井「アプリケーション開発の現在地としては、電子産業の実案件で利用した際の効果検証している段階なので、まだ道半ばですが、足元では、水処理プラント設計の新しいスタンダードを創り、継続的に価値を発揮していきます。一方で、将来的には、設計者の期間を大幅に短縮する設計体制のスケールアップ支援や、プラント稼働開始から逆算した最適な水処理プラント建設プロセス、さまざまな分野の水処理領域への展開を目指しています。これらを実現することで、弊社のパーパスでもある水不足問題の解決に向けて本格的な価値を発揮できると考えています。そのためにも、やらなければいけないことが山積みですので、これからも開発体制を拡大していきます。」

インタビューを終えて

「社会インフラの課題に対してデジタル技術で変革していく」FractaLeap
ご一緒いただけるエンジニアも絶賛募集中!

Fractaという社会インフラに対してアルゴリズムを使って変革していく会社から、栗田工業と水処理プラントの設計と運転をデジタル化するために生まれた【FractaLeap】。
お話をしていただいた村井さんはじめ会社の皆さんも終始和やかな雰囲気で社会課題に取り組んでいます。

チョクフリからもなんと12名ものエンジニアを紹介させていただいております。
まだまだ今後も腕に覚えのあるエンジニアの方は絶賛募集中ですので、是非案件にご応募ください。

企業情報
事業所名Fracta Leap 株式会社
代表者

CEO Yasuhiro Kitabayashi
CTO Shuhei Hatori
CPO Shinya Murai

設立2020年05月01日
本社東京都新宿区新宿2-8-15 パークフロント新宿 3階
スタッフ24名 ※2023年3月31日現在
事業内容

水処理インフラの課題解決のためのデジタル技術・製品の開発および販売